この記事では、クラヴマガの基本スタンスについて解説しています。
ジェット・クラヴマガでは、トレーニングの最初に覚えてもらうスタンス(構え)は3つあります。
その基本スタンスについて簡単にご紹介します。
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パッシブスタンス|Passive Stance

パッシブは英語で”Passive”ですが、直訳は「受動」とか「受け身」な構えのことです。
ただ、直訳ではなかなかイメージできないので、こんな言い方をしたりします。
「周りに脅威を感じていない状態」
日常生活で自然と取るリラックスした状態ですが、なぜこのような状態をスタンスと呼ぶのかというと、どんなにリラックスしていても警戒を怠らないという意味が込められています。
パッシブスタンスからでもすぐに防御や攻撃耐性に移行できるよう準備されているスタンスです。
セミ・パッシブスタンス|Semi-Passive Stance

このスタンスは、緊張感が高まっている状況だけど、まだ戦闘体制に移行しないようなタイミングで使用するスタンスです。
たとえば、「ナイフで脅されている」「胸ぐらを掴まれている」「肩をおされた」などの状況で使用します。
アタッカーに対して、積極的に攻撃をする意思がないことを示して、決して刺激しないようにすることが最も重要です。
さらに防御や攻撃の準備も整えています。
非常に曖昧で、バランス感覚が大切なスタンスであり、相手に悟られないためにも、演技力も必要になります。
「やめてください」「ごめんなさい」といった雰囲気を出しながら準備することが大切です。
このスタンスは、パッシブから少し防御や攻撃体制が進んだスタンスであり、かなり多くのシチュエーションで使用します。
ファイティングスタンス|Fighting Stance

戦闘モードで、攻撃や防御を即座に行うためのスタンスです。
アタッカーとのコンタクトが避けられないとわかった時点で取るべきスタンスともいえます。
まさに戦うためのスタンスで、この構えはレンジにより変化します。
また足幅は前後左右均等に重心をおくことで、素早い移動ができます。
まだまだある様々なスタンス
ここまでの基本のなる3つのスタンスのうち、ファイティングスタンスは、汎用性の高いスタンスとしてゼネラル・ファイティングスタンスと呼ばれることがあります。
このゼネラルスタンスには、他にもレディースタンスやディフェンシブスタンスなどがあり、攻撃と防御の…
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まとめ
このように、クラヴマガでは状況を予測することが難しい場合が多いため、適切なスタンスの種類も多種多様になりがちですが、基本の3つのスタンスから状況に応じて細分化されたものと考えるのが妥当です。
スタンスそのものををテクニックや形として覚えるのではなく、その状況と脅威に応じて足の幅や重心を変えたり、手の位置を変えたりする必要があり、柔軟に対応できるようにすることが重要です。
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