【コラム|防犯Days】防犯対策を基本から学ぶ -その1「ハード面とソフト面で考える」

この記事では、基本的な防犯対策の考え方を紹介しています。

私たちが日々生活している中で、安心して暮らすためには防犯対策が欠かせません。特に、犯罪が起きる前に防ぐことが大切です。

今回は、一般の人々が実践しやすい防犯対策について、ハード(物理的な対策)ソフト(運用・心理的な対策)、そして防犯理論を交えて簡単にご紹介します。


ハード面の防犯対策(物理的な対策)

ハード面での防犯対策とは、実際に見える物理的な形で犯罪を防ぐための設備や機器のことを指しています。

例えばこんな対策があります

防犯カメラ:監視カメラやセキュリティカメラ

セキュリティゲートやフェンス:不審者の侵入を防ぐための物理的な障壁

鍵やロック:扉や窓に取り付ける、物理的な防止手段

アラームシステム:侵入を検知して警報を鳴らすシステム

センサーライト:動きを感知して照明を点灯させる設備

簡単にできる防犯対策についての記事もあわせてご覧ください

ソフト面の防犯対策(運用・心理的な対策)

ソフト面の防犯対策とは、住民や地域の協力を得たり、日常的に防犯の意識づけを強化するものを指します

例えばこんな対策があります

防犯意識の向上:住民や地域全体で犯罪に対して注意を払い、警戒心を持つ

地域コミュニティの協力:地域住民や近隣の協力によるパトロールや見守り活動を行う

防犯教育:防犯に関する知識を学習し、対策を徹底(例えば、窓を閉める、鍵をかける、知らない人に家を教えないなど)

規則の運用:敷地内や家庭での行動規範を設け、犯罪を予防する運用ルールを設ける

防犯意識の向上

家族や周りの人々が防犯に対する意識をしっかり持つことが大切です。

例えば、鍵をかけ忘れない、家に帰る際に周囲を確認する、玄関灯をつけっぱなしにするなど、小さな習慣が積み重なります。


朝夕の戸締り確認を習慣化する

近隣で発生した犯罪のニュースや情報を家族で共有し、警戒意識を高める

外出時の注意喚起(バッグは車道と反対側に持つ、夜間の一人歩きを避けるなど)を日々意識する

「もしも」の対策として、万が一の時の対応を話し合う(大声を出す、逃げ道を考えるなど)を普段から話し合っておく

防犯グッズの携帯(防犯ブザー、ライト、スプレーなど)を徹底し、使い方を確認する

地域コミュニティの協力

近所とのコミュニケーションを取り、地域で互いに見守り合う体制を作ることが効果的です。

ご近所同士で連絡を取り合い、怪しい人物を見かけたときに知らせる体制を作ることが、防犯につながります。


防犯パトロールを地域のメンバーで定期的に実施する(特に夜間や人通りが少ないエリアを重点的に)

見守り活動を兼ねた「挨拶運動」などを行い、地域の見守りの目を増やす

SNSやチャットグループを活用し、不審者情報や防犯対策情報をリアルタイムで共有する

子どもや高齢者の見守り活動として、通学・通勤路の見守りポイントを地域で決める

防犯教育

家族や地域のメンバーに対して、基本的な防犯教育を行いましょう。

例えば「ドアを開ける前に必ず覗き穴で確認する」「不審な電話や訪問者に注意を払う」といった意識を浸透させることが大切です。


家庭や職場での定期的な防犯講習や会議(ドアの施錠確認、警戒心を持つポイントなど)を行う

防犯に関するポスターや案内板を設置し、窓や玄関の施錠、重要物の管理を促す(家庭では玄関など目につきやすい場所に貼り紙をしておく)

不審者対応訓練や「110番教室」などの実演を行い、緊急時の対処法を実際に練習する

防犯ルールを決め、徹底する

規則の運用

家族間や地域メンバーで、防犯対策を話し合い、ルールを設けることが大切です。

普段から防犯に関して話し合う機会を設けるだけでも、防犯意識が高まります。


施設内や敷地内での立入禁止区域を明確化し、住民や利用者に周知する

来訪者の確認を徹底し、訪問者の記録を残したり家族で共有する

建物の共有エリア(ゴミ捨て場、駐輪場など)の利用ルールを設定し、秩序ある運用を行う

防犯の理論を理解しよう

防犯対策は、実際の取り組みに加えて、犯罪がどのように発生するかを理解することが重要です。こうした理論を知ることで、さらに効果的な防犯策を講じることができます。

例えば、下記のような理論があります。

環境犯罪学(環境が与える影響を考える)

犯罪は「環境」や「状況」によって発生しやすくなるといわれています。

例えば、暗くて人目が少ない場所では犯罪が発生しやすいので、防犯カメラや照明を増やすことで、環境を変えて犯罪を防ぐことができます。

犯罪機会論(犯罪機会を最小限に減らす)

犯罪者は、ターゲットを見つけたときに「犯罪を犯すチャンス」があると判断します。このチャンス(犯罪機会)を減らすことが防犯につながるという考え方です。

例えば、貴重品を見せびらかさないようにしたり、家の窓をしっかり閉めて鍵をかけることが有効です。

社会的絆理論(社会とのつながりを大切にする)

犯罪を防ぐためには、社会的な絆がとても重要です。

家族や友人との絆を強めること、また地域で協力し合うことで、犯罪のリスクを減らします。

合理的選択理論(犯罪者の視点から考える)

犯罪者は、犯罪を犯すことで得られる利益とリスクを天秤にかけて判断します。

つまり、防犯対策を強化して犯罪に対するリスクを高めることが、抑止力として働き、犯罪に遭う機会を極力減らす一因とります。

まとめ

防犯対策は「ハード(物理的な対策)」と「ソフト(運用・心理的な対策)」の両面からアプローチすることが大切で、さらに、犯罪が発生するメカニズムを理解し、社会的なつながりを強化することも重要です。

私たち一人ひとりができることを実践し、地域全体で防犯意識を高めることで、より安全な環境を作り上げていきましょう。

日々の小さな努力と積み重ねこそが、防犯そのものにつながります!

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