抱きつかれた場合

抱きつきからの離脱方法(背後)

ベアハグといわれる抱きつき行為から逃げる方法をご紹介します。
他のテクニック同様に前後左右からの抱きつきに対する護身方法がありますが、さらに腕ごと抱えられるのか、または胴回りを抱えられていて腕は自由が利く状態なのかでもテクニックが変わってきます。
今回は、背後からの抱きつき行為で腕は自由が利く状態からの離脱方法です。

最悪の状況を想定する

後ろからの抱きつきは、抱きつきそのものだけではなく、その後に起こり得る最悪な状況を理解しなければなりません。その最悪な状況とは連れ去りです。
抱きつき、そのまま持ち上げられて、車内へと押し込まれる。
ドアを閉められ走り出された場合、そこから逃げることは不可能に近いと思います。
抱きつき行為のあとが必ずこの様な状況になるわけではありませんが、最悪な状況を理解しているのと理解していないのとでは、対処の速さと離脱後の行動に差が出てきます。

礼儀正しい人は護身術が上手

襲ってくる人間に御礼を言うわけではありませんが、今回のテクニックで鍵となるのが、「お辞儀」。
抱きつかれた後に持ち上げられないように、まずは重心を前に落とします。


頭を前に落とし相手の体から遠くに離すことで、持ち上げられにくい状態を作りますが、このイメージがまさに「お辞儀」なんです。
さらに、これをすることにより、お尻で襲撃者に攻撃(ヒップアタック)も出来るので、離脱のために必要な空間も作り出せます。
間違えやすいのが、膝を曲げて重心を真下に落としてしまうことで、重心を真下に落としただけでは、効果がなくなってしまいます。

その気はなくても手を握る

抱きつかれてお辞儀をする時に、襲撃者の手をしっかりと掴んでおくと、背後から手を使った攻撃を受けなくて済みますし、ヒップアタックも効果的でしょう。

肘は硬いんです

お辞儀をすると空間が出来るので次は打撃を打ちます。
襲撃者は後ろにいて、空間はそれほどありませので、打てる打撃はエルボー「肘打ち」が妥当でしょう。
肘打ちの効果は高く、女性や子供でもかなりの衝撃を与えられます。
たとえ当たらなくても、襲撃者は顔を背けて力を抜いたり、避けるために抱きつきを解除します。とにかく速く、そして連打。
襲撃者が腕の力を緩めたら、即座に襲撃者の正面を向き、膝蹴りや肘打ち、ハンマーフィストを打ち、その場から離脱します。
最強護身術といわれるクラヴマガを開発したイミリフィテン・フェルトは、どれだけ肘打ちが有効かを説明する時にこう言っていたそうです。
「3歳の子供の肘は、モハメドアリの玉よりも硬い」

いつ気付いたの?

どんな襲撃でもそうですが、身体的に接触する前に気が付くこともあります。
それは足音かもしれないし、気配かもしれません。いずれにしても、速く気が付いたらその時点で対処することで最悪の状況を回避できます。今回の背後からの抱き付きの様に、自分が後ろを向いている場合は、バックキックまたはヒールキックでストッピングしましょう。
振り向いて対処するよりはるかに速く対処できますし、そのまま前へ逃げることもできます。
襲撃者が抱き付いてくるまで待っている必要はありません。

他にもいるぞ!

最悪な状況として、車内へと押し込まれる話しを最初にしましたが、その状況をリアルに想像した方で気が付いた方も多いのではないでしょうか?
そうです。
複数人による拉致です。
車内に押込み拉致するには、1人は背後からベアハグをし捕まえて、もう1人は前から脚を抱えて持ち上げる。
2名で車内へ押込んで運転手がすぐに車を走らせる。
この様に、実際に拉致というのは単独ではかなり難しいものです。
襲撃者が複数人いることは常に頭に入れておくべきでしょう。

助けて!!

護身術とは

襲われた時に口をついて出る言葉「助けて!」
よく云われているのが、「助けて」という叫びを聞くと、人は恐怖心でその場に近づかないそうです。
そこで、「火事だ!」と叫ぶと野次馬ま含め人が寄ってくるそうです。
ご参考までに。