いくら覚えやすく実戦的なクラヴマガのテクニックでも、実際に使えるかどうかは相手の状況による。

というか、そのテクニックを使えるように相手をどう誘導するかにある。

銃や刃物で脅されている場合、襲撃者もバカではない、反撃されないように警戒するはずだ。

そんな中で武器を取り上げようと突然動こうものなら襲撃者から取り返しのつかない攻撃を受けるだろう。

では、どうしたら良いか。

それは、襲撃者に『まさか?!』と思わせることと、その準備にある。

脅されて、震え上がり、命乞いをし、要求された金を差し出そうとする。

ここで襲撃者は目的が達成される目前ということと、相手が自分の支配下にあるという思い込みから、まさかこんなに震え上がっている人間が突然反撃に出るとは思わない『心のスキ』が生まれる。

ここで初めてテクニックが有効となる。

普段のトレーニングでも、テクニックの反復だけではなく、テクニックを成功させるために、襲撃者の気をそらすことを含めたシチュエーショントレーニングが不可欠である。

役者になったつもりで演技を加えたトレーニングをしてみてはどうだろうか。

 

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HIDETSUGU OKUBO

ゼネラルディレクター&チーフインストラクター護身術 JET KRAVMAGA
1973年生まれ 株式会社JAM代表取締役。2013年ジェット・クラヴマガを設立。クラヴマガを指導するため、札幌、苫小牧、東京、千葉を往復する毎日。護身術/防犯/応急救護/ 詳しいプロフィールはこちら